『夢見る男』
    
カフェにて

     あーあ・・・腹減ったなぁ・・・一昨日から何も食ってない・・・ここに来れば誰かに
     会えると思ったんだけど・・・っていうか・・・誰か来てくれないとこのコーヒー代も払えない
     ・・・誰か来てくれ!!!俺は腹ぺこなんだぁぁぁ・・・
     
     まったく・・・あいつら見る目がないよ・・・あの絵は久々の自信作だったんだぞ!!!
     これはイケる!!!これは凄いって!!!自分でも興奮して眠れなかった程なんだ。それを・・・
     唐変木のアホウどもが・・・あいつらの目は節穴だよ・・・あの絵の素晴らしさが分からないなんて
     ・・・この世界から去るべきなんだよ・・・ったく、冗談じゃない!!!
     
     あっ、ヤバい・・・あいつだ・・・頼む・・・気付くな・・・気付くな・・・キ・ズ・ク・ナ・ヨ・・・よし・・・
     よし・・・あぁぁぁぁ・・・よかった!!!金返してないんだよねぇ・・・天は我を見捨てず!!!
     
     しかし、この頃あいつ・・・売れてるよなぁ・・・ったく、何てあいつの絵が売れて・・・俺のが
     ・・・やめやめ!!!人と自分を比べるようになっちゃ・・・おしまいよ・・・俺は俺、そう、それでいい
     ・・・そうさ、このコーヒーカップだって、誰かが考えて作ったものだ・・・この世の中のモノすべては、
     何者かによって作られている・・・この灰皿も、このテーブルも、この店も、この石畳も、この街も
     ・・・そうなんだ!!!皆、ソウゾウの産物なんだ!!!・・・この美しいバラの花も神が創造したモノだ・・・
     あの美しい女性の・・・魅力的な唇も・・・瞳も・・・髪も・・・おっ・・・こっちを見てる・・・あれっ・・・
     えっ・・・うっそ・・・もしかして・・・俺?・・・どうする・・・さりげなく・・・手を上げたりなんか・・・しちゃう
     ・・・あぁ?・・・なぁんだ・・・はぁ・・・そうなんだ・・・みんなソウゾウの産物なのである。
     
     あのルノアールも言っている・・・「僕は美しいものをただ描く」と!
     そう!!!自分の美しいと思うモノを描けばいいのさ!!!
     大勢の芸術家たちがここで・・・この街で・・・自分を探して来た・・・ウェルレーヌ、マラリメ・・・
     ユトリロやモディリアーニは毎日ぐてんぐてんに酔っ払いながらも・・・若き日のピカソは、
     素面にもかかわらず、アポリネールやマックス・シャコブラらに喧嘩をふっかけていた・・・
     クリムト、シーレ・・・この街の女たちをこよなく愛したロートレック・・・あのブレヒトさえ
     刺激を求めに来た街・・・そう!レビューの女王ミスタンゲットが歌ったようにサ・セ・パリ!!!だ!
     俺もこの街で必ず自分を探す・・・自分を表現してみせる!!!・・・必ず・・・見てろ!パリ・・・
     
     俺は・・・俺は!!!(お腹が鳴る)
     あっ、カモみっけ!(手を振る)・・・あいつだったら、奢ってくれるよ・・・さぁて・・・どうやって・・・
     ご機嫌とろうかなぁ・・・サ・セ・パリ・・・サ・セ・パリ・・・

『サンジェルマンにおいでよ』

サン・ルイ島の近くの穴倉の店に みんなで集まり 哲学の議論さ
楽器が音をがなり立て 青春の爆発だ 煙草はもくもく 気分は最高
想像力のない奴は家に引っ込んでればいい アドリブきかせる 青春の溜まり場さ
ヴィアン ヴィアン サンジェルマン ダバダバディ おいでよ サンジェルマン

喋って 笑って 歌って 踊ろう 酔いしれるひととき 青春に乾杯
二十歳の頃は 狂おしい時代 今を生きるのさ 人生に乾杯
頭が空っぽになるまで暴れて この瞬間に 青春に乾杯
ヴィアン ヴィアン サンジェルマン ダバダバディ おいでよ サンジェルマン
アレ ヴィアン ヴィアン ヴィアン  アレ ヴィアン ヴィアン ヴィアン
アレ ヴィアン ヴィアン ヴィアン ア サンジェルマン

心が空っぽになるまで喋れば 未来は素晴らしい大人になれるさ
ヴィアン ヴィアン サンジェルマン ダバダバディ おいでよ サンジェルマン
アレ ヴィアン ヴィアン ヴィアン  アレ ヴィアン ヴィアン ヴィアン
アレ ヴィアン ヴィアン ヴィアン ア サンジェルマン